「アオイは……何なの」
「さぁ」
「………」
「ただ、私はずっと見ている」
「………」
「この、シトウの街を」
いい加減、わかる言葉で教えてよ。
「アオイは、何を知ってるの?」
口を開けば、アオイに背中を向けられる。
これ以上は話す気がない。
そんな態度だった。
「……送ってく」
「送られるのはお前の方だろ」
「何、言って──」
その途端。
後ろから近づいてきた、バイクのエンジン音。
迫る音に振り返れば、見覚えのある大きな車体が目に映る。
「カナコさん!一人でRe:bidoを出ないでください!!」
野間の乗ったバイクが、目の前で停車した。
「………」
前を振り返る。
アオイの背中が遠退いていく。
それはまるで、夜の闇に溶けていくようだった。
──あの子は一体、何?


