余所者-よそもの-【 2 】



ふわりとカナコの胸が膨らみ、やがて静かに呼吸が戻った。

ユキは唇を重ねたまま、彼女の髪を撫でる。


……おかえり。


髪から背中へ。背中から、脇へ。

あばらのカーブを指先でなぞり、鳩尾を探し当てる。


そこに、拳を構えた。


ここを突けば、カナコの意識が飛ぶ。

ドラッグによる苦痛から、多少逃がしてやれる。


「………」


でも、それは彼女に痛みを負わせることになる。

だったら、せめて――……


ユキは再び彼女の口の奥深くへと、自分の舌を差し込んだ。

カナコが自分の舌を噛んでしまわないように。


そうして、深く。

拳を、沈めた。


「―――…っ」

「―――…っ」


舌を強く噛みしめられる痛みと同時に、彼女の身体が崩れ落ちた。

離れた二人の唇の間に、銀色の薄い糸が引く。