「……かぁこ?」
そこで、腕の中の彼女の胸の動きが、不自然に止まったことに気が付いた。
呼吸をしていない。
顔からみるみる血の気が引いていく。
「……ダメだ。息をしろ!」
ユキは慌てて彼女の身体を抱き起こした。
考えるより先に、身体が動いた。
頬から顎を包み込むように触れ、そっと、唇を重ねた。
口づけのまま、彼女の口を開く。
喉の奥まで自分の舌を深く差し込み、気道を確保する。
……かぁこ。おいで。
俺のところへ、帰ってこい。
ユキは自分の肺に残る息を。
彼女の中へ、すべて注いだ。
――命そのものを、押し込むように。


