いつの間にか、傘が手から滑り落ちていた。 冷たい雨が、二人を容赦なく打ちつける。 「お願い。助けて……」 「なに……」 何を助けられる? 「このままじゃ、シトウが」 「………」 「紫藤が……壊れる」 「………」 「ねぇさんの、愛した街が――……」