余所者-よそもの-【 2 】



「お前、どうした」

「シド、私」


「言え。何があった」


シドは掻くように私の身体を寄せて、腕の中に押し込めた。

頭の後ろを大きな手で包まれ、全身を抱きすくめられる。


なぜだか、切なさが込み上げた。


「もう……こういうこと、しないでおこうと思うの」


ぽつりと落とした、声。

決心したはずのそれは、想像より弱々しく頼りなかった。


「前のこと、まだ怒ってんのか」


前のこと。

シドが衝動のままに私を抱いたこと。
私のことを『カエデ』と呼んだこと。


「ううん」

違う。
そうじゃない。


「じゃあ、なんでだよ」


耳を押し当てた胸から、声が響く。

眉間に力がこもる。