「ごめんね、こんな時間に」
『何かあったのか?』
「シド、今から……会える?」
『迎え寄こす。どこだ』
「いい、私が行くから」
『駄目だ。今どこにいるか言え』
「………」
『カナコ』
私はいつもの野間との待ち合わせ場所を伝えて、電話を切った。
「………」
電話しただけなのに、息は上がっていた。
指先が冷たい。
緊張……する。
しっかりしなきゃ。
じゃないと、ちゃんと伝わらない。
両手でパンパン、と頬を強めに叩いた。
痛みが、頭を冷やしてくれた。
私は、朝日が昇る前の寂しい街へと、歩きだす。
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