だったら……。
「もう、絶対に迷惑はかけません」
私も、もう間違えないようにしよう。
ユキを怒らせるようなことも、サンコンやバンを怒らせるようなことも。
潤を巻き込むような面倒事だって、起こさない。
「お前の考える『迷惑』って、なに?」
「みんなや、ユキさんを困らせるようなこと、です」
「俺が困ることってなに?」
「………」
この間も思ったけど。
ユキは質問が細かい……。
面倒事が嫌いなユキが困ること。
一言で言えば。
「シトウ絡み……ですかね」
「うん。それは嫌」
ですよね。
視線が勝手に床に落ちた。
「……あ。でも、違うかも」
ユキのその声に、私は吸い寄せられたように顔を上げる。
私を射貫くユキのその瞳は、なんだかキラリと光って見えた。
「一番俺が困るのは、お前を知らないことだ」
「……私を、知らないこと?」
「俺、お前の知らないこと、いっぱいあったから」
それは。
タカの話や、涙が出ないことを言ってるのかな。
こんなこと知らなくたって、ユキは何も困らないと思うけど……。
でも、もし。
最初から、タカのことをユキに話していたら、どうなっていただろう。
こんな話を聞いても、ユキは『俺には関係ない』って言うと思ってた。
でも今、私の目の前にいるユキは。
不思議と、私に寄り添ってくれている気がする。


