俺は夜の道を歩きながら、思考を巡らせる。
──『紫藤がかぁこを欲しがってる。……そういう関係なのかもしれない』
ユキの恋は、ぶっちゃけ前途多難。
紫藤は多分、カナコちゃんを拾ったその日から、なんか腹にあることは間違いなかった。
買い物に連れ出したり、Z地区の騒動のときなんかもそうだ。
明らかにカナコちゃんに対して何か、特別な感情がある。
ただ、解せないのは。
どうしてユキにカナコちゃんを預けたか。
自分から距離を置いておきながら、遠くからカナコちゃんを守り続けている。
紫藤の行動に一貫性がない。
一貫性のないところには経験上、絶対に何か拗れた感情が潜んでる。
まぁ、紫藤がなんかしてきたところで。
別にユキには自分の店や、この街に何の執着もない。
カナコちゃん連れて逃避行でもさせればいい。
愛があればどうとでもなるさ。
何はともあれ。
かけがえのない親友の初恋が上手く実るといいな。
さぁて。
誰か可愛い女の子誘って、旨い酒でも飲みに行くかな。


