余所者-よそもの-【 2 】



「悩むのが嫌なら、もうこの際、事実にすればいいじゃね?」

「何を」


「カナコちゃんをAnBarから追い出せば?」


「それはない」


驚いた。
……案外、きっぱりと言う。

馬鹿なサンコンの伝言ミスは、どうやらユキに、とっくに答えを出させていたらしい。


好きの自覚はないにせよ。
ユキは、自分がカナコちゃんを手放せないってことはわかってる。

なんだ。
もう後戻りができない程度には、カナコちゃんに惚れちまってんじゃねーか。

……ウケる。


「だったら、ちゃんとカナコちゃんと話せ。まずは誤解を解いてやれ」

「……それが怖いんだ。紫藤のとこに行くとか言いだすかもしれない」


ったく。
こういうところは相変わらず頭が回らねぇんだよな。


「ここまで店の人間から拒絶されたんだ。シトウ云々がなくても、出て行っちまうぞ」


まずは誤解を解くこと。

あとはまぁ、カナコちゃんの気持ち次第だし。
なるようにしかならない。


「もう放っておけないんだろ。じゃあ放っておくな」

「………」

「お前にとってカナコちゃんはそういう存在。受け入れろ」


「………」

ユキは呆けたように座り込んだまま、しばらく動かなかった。