余所者-よそもの-【 2 】



「紫藤とカナコちゃんがそういう関係だったとして、何が問題なんだよ」

「わからない。でも、かぁこが紫藤に触られてると思うと、アイツの顔を見たくなくなった」

「………」


「なのに、頭が勝手に想像する。かぁこが紫藤にどんな顔を見せてるのか。俺の知らない顔を、アイツには見せてるのかとか。考えたくないことばっかり浮かんできて、イラつく 」


『わからない』『でも』『なのに』

今コイツがパニクってんのは、感情の正体がわからないから。

正体のわからないものはノイズ。

コントロールできない、その極めて非効率なものを、必死に排除しようとする。


だから、その正体を。
その感情の名前を、教えてやる。

──『こういう関係をね、『友達』って言うんだよ』


感情に名前がつけば、それはユキの中で怖いものから興味に変わる。

興味はユキに、自分の感情と向き合わせる。

──『友達って、具体的にどういうの?』
──『友達は、下の名前で呼ぶの?』


向き合いさえすれば、コイツは非合理な欲求すら、受け入れられる。

──『俺は……コタコと、遊びたい』