「紫藤とカナコちゃんがそういう関係だったとして、何が問題なんだよ」
「わからない。でも、かぁこが紫藤に触られてると思うと、アイツの顔を見たくなくなった」
「………」
「なのに、頭が勝手に想像する。かぁこが紫藤にどんな顔を見せてるのか。俺の知らない顔を、アイツには見せてるのかとか。考えたくないことばっかり浮かんできて、イラつく 」
『わからない』『でも』『なのに』
今コイツがパニクってんのは、感情の正体がわからないから。
正体のわからないものはノイズ。
コントロールできない、その極めて非効率なものを、必死に排除しようとする。
だから、その正体を。
その感情の名前を、教えてやる。
──『こういう関係をね、『友達』って言うんだよ』
感情に名前がつけば、それはユキの中で怖いものから興味に変わる。
興味はユキに、自分の感情と向き合わせる。
──『友達って、具体的にどういうの?』
──『友達は、下の名前で呼ぶの?』
向き合いさえすれば、コイツは非合理な欲求すら、受け入れられる。
──『俺は……コタコと、遊びたい』


