余所者-よそもの-【 2 】



俺はベッドに視線を戻した。

「すう」
カナコちゃんは小さく寝息を立て始めた。


俺はスマホを手に取り、フリックでメッセージを打ち込む。


”カナコちゃん怪我。動けないからお前んちで寝かせてる”

送信っと。


「………」

少し迷って、やっぱりもう一行だけ追加でメッセージを送ることにした。

”カナコちゃんはすぐに帰るってゴネてる。どうする”


スマホを閉じて、天井を仰ぐ。

俺も意地が悪いな。

ユキがどんな顔してすっ飛んでくるか、楽しみで仕方がねーんだから。


ごめんな、カナコちゃん。

カナコちゃんは今、ユキに会いたくない。


でも。
ユキは多分、カナコちゃんに会いたい。


俺は基本、女の子の味方だけど。
ユキとはちょっと付き合いが長い。

悪く思うなよ。


彼女の額に浮かぶ汗を拭ってやった。

めくれた布団を、そっと掛け直す。


ちらりとスマホで時間を確認した。

……はは。
思わず、笑みが零れる。


玄関先から響く、物音。

想像以上に早い到着。

俺は期待値をぐんと上げて、静かに椅子から立ち上がった。