俺たちはインターホンを押すのをやめた。
その代わりに、毎日ルーズリーフを何枚かポストに投函した。
それは、授業の板書を書き写したもの。
それから。
次回のテスト範囲と、出題予想。
ずっとコタコがユキにせがんでいた、勉強の秘訣。
ユキはあれだけサボっていた授業を毎日、毎時間、欠かさず受けるようになった。
『授業に出席することに意義を見いだせない』
かつてそう言っていたユキが、今ではコタコの代わりに教室の黒板にかじりついている。
コタコへ届けるためだけに、すべての授業を受け。
ルーズリーフに丁寧な文字を書き連ね。
ユキなりのポイントを、毎ページの隅に添えて。
そんなことを、ただひたすら繰り返すうちに。
あっという間に季節は巡り、寒い冬。


