そしてそれは──高校二年の冬。
期末テストの結果発表の日に起きた。
例のごとく正面玄関に張り出されたテスト結果。
コタコは、カタカタと身体を震わせていた。
「……うそだ、うそ……だ」
明らかに様子のおかしいコタコ。
隣に立つ俺とユキは、その青ざめた視線の先を辿る。
「僕は……なんてことをしてしまったんだ……」
万年二位のコタコが、初めてその定位置から転落した。
五位だった。
もしかしたら、他のヤツが特別頑張ったのかもしれない。
でも、平均点を見ればわかる。
コタコ自身の点数が、いつもより明らかに低かった。
「……やったじゃねーか。これで万年2位の汚名を晴らせたな」
落ち込むコタコに、俺は努めて明るく冗談を言った。
「あ、遊んでたから……」
「そう落ち込むなって」
「もともとは成績を上げるために……ユキくんから勉強のノウハウを得るために……なんで、どうして……僕はなんてことをしてしまったんだっ……!!」
何かに憑りつかれたように頭を抱えるコタコ。
その肩に、そっと手を置いた。
「大丈夫だって。お前ならすぐに挽回──」
けれど、その手は叩くように振り払われた。
「君たちに僕の気持ちはわからないっ!!勉強をする必要のない潤ちゃんにも、勉強しなくたって点数を取れるユキくんにもっ!!」
「どうした。落ち着けよ」
「君たちと遊んでいたせいだ!僕はなんて無駄な時間を過ごしてしまった……!!」


