余所者-よそもの-【 2 】



「サンコン?」

「お前の名前は、サンコン」


ユキが向ける視線を辿れば。

……コイツ、不良のクセして行儀よく名札を付けてやがる。


そこに示されている苗字は──”三根”。

普通なら『ミネ』と読むんだろうが、たしかに『サンコン』。

不思議と、その方がコイツにしっくりくる。


突然のあだ名の命名。
何度も拳を交わし合ったユキにとって、コイツだって友達ってことなのかもしれない。


サンコンがジャムパンをたったの二口で食いきったところで、昼休み終了の予鈴が鳴った。

……なぁんか、授業受ける気がしねー。


「俺いいや、サボろー。ユキは?」

「コタコ、次なに?」

「次は数学だよ」

「じゃあ寝る。コタコもサボる?」

ごろん、と寝っ転がったユキ。


すでに移動の準備をして立ち上がっていたコタコは、バツが悪そうに苦笑いした。

「ぼ、僕は出なきゃ。テストも近いし……」


そうしてコタコ一人だけが寂しそうに、屋上を後にした。