「サンコン?」
「お前の名前は、サンコン」
ユキが向ける視線を辿れば。
……コイツ、不良のクセして行儀よく名札を付けてやがる。
そこに示されている苗字は──”三根”。
普通なら『ミネ』と読むんだろうが、たしかに『サンコン』。
不思議と、その方がコイツにしっくりくる。
突然のあだ名の命名。
何度も拳を交わし合ったユキにとって、コイツだって友達ってことなのかもしれない。
サンコンがジャムパンをたったの二口で食いきったところで、昼休み終了の予鈴が鳴った。
……なぁんか、授業受ける気がしねー。
「俺いいや、サボろー。ユキは?」
「コタコ、次なに?」
「次は数学だよ」
「じゃあ寝る。コタコもサボる?」
ごろん、と寝っ転がったユキ。
すでに移動の準備をして立ち上がっていたコタコは、バツが悪そうに苦笑いした。
「ぼ、僕は出なきゃ。テストも近いし……」
そうしてコタコ一人だけが寂しそうに、屋上を後にした。


