余所者-よそもの-【 2 】



「……友達は、下の名前で呼ぶの?」

「うん!下の名前で呼んだり、あとはあだ名をつけたりもするんだって」


「お前の下の名前はなに?」

「コウタだよ!」


瑞生は少し考えるように、澄み切った青い空を見上げた。

やがてその視線をもっさりメガネまで戻せば、茹でダコみたいなその顔を指さして、


「コタコ」

と呼んだ。


「……え?コタコ?それってもしかして、僕のあだ名?」

「うん」

『コタコ』と呼ばれたソイツは、正座をしたまま、ぴょんぴょんとその場で跳ねた。


コタコ……コタコ、な。

コイツはすぐにタコみたいに顔が赤くなる。

カツアゲ連中からも『タコ』って呼ばれてたし。


普通なら嫌がりそうなモンだけど、なんだ。

コタコ本人は、とっても嬉しそうだ。


きっと瑞生にとっても、友達という存在は初めてなんだろう。


……それにしても。
友達の定義なんて、何もそんな小難しく考えなくたっていいのに。

そう思ったけど。
初々しく『友達』と呼び合う可愛いコイツらに、もう何も言うまい。