イタ校との騒動の後、俺の周囲は一変した。
「潤くーん!おはよっ!」
「おー!前髪切ったのか。また可愛くなっちゃって」
可愛い女の子たちとの、爽やかな朝の挨拶。
こんなのは以前のまま。
たまらない幸せ。
「潤ちゃーん!おはよう!」
「………」
「あれれ?潤ちゃん?おかしいなぁ、聞こえてないのかなぁ。おはよーう!おはよーう!」
「……聞こえてるよ!!うるっせぇんだよっ朝っぱらから!」
甲高くて耳障りな、もっさりメガネの声。
朝から不快だぜ。
「なんで?どうして?さっきの女の子には快く返してたじゃないか!」
「性別が変わったらまともに相手してやるよ」
「そんなぁ……」
短い首をがっくりと垂れたコイツに、俺は深いため息を吐いた。
「ところで潤ちゃん、ユキくんは?」
「……ユキくん?」
誰だそれ。
すると、福の神みたいに丸っこいコイツの顔が、みるみる真っ赤になった。
シュウウ……と、蒸気でも噴き出しそうだ。
「み、瑞生くんのことだよ……。もうそろそろ、いい頃合いかなって」
「キッモ!!なんだよ頃合いって!カップルか!」
……気持ち悪い。
「じゃあまたお昼にねー!」
「おー……」
俺も焼きが回ったかなぁ。
ついこの間まで、昼休みの貴重なフリータイムは女の子と過ごす時間だったのに。
「………」
いつも通り、ぼうっと午前をやり過ごす。
あっという間に昼休みのチャイムが鳴った。
「潤くん、一緒にお昼食べない?」
「うーん……」


