呆気に取られて硬直する熊も無視。
瑞生は挑発するように、指でクイクイとソイツを手招く。
カチン、ときた様子の熊は、力任せの攻撃を繰り出した。
「……なんでじゃ?」
それでも、どうしたって瑞生には攻撃が当たらない。
攻める熊。
攻めた隙をついて反撃を当てていく瑞生。
でも、頑丈な熊の身体はいくら瑞生が攻撃を当てても屁でもない様子だった。
食らっても食らっても、何事もなかったかのように向かってくる相手。
瑞生の勝ちは一向に見えてこない。
どれだけ殴ろうと無駄なんじゃないか。
熊は倒れないんじゃないか。
そんなことを考え出したころだった。
「いつまでもッ!ちょこまかうっとおしい!大人しぃ寝やがれッ!!」
「そろそろ……かな」
瑞生の上段蹴りが、熊の分厚いこめかみにめり込んだ。
「ハハッ!こんなモンで……」
こめかみを押さえ、笑う熊。
その顔が突然、
「──……あ、ガ……?」
白目をむいた。


