「お前が相手か」
「ああ」
向かい合った二人。
改めて見ると、体格差は一回りどころじゃない。
無理だって。
よせって。
そんな祈りも虚しく、熊が瑞生に襲い掛かった。
「ダァァァラァァッ……!」
大きな拳がブゥン……ッ!と風を殴った。
「………」
瑞生は大振りの拳を冷静に見極め、軽く避けた。
「次ゃ、当てっぞ!」
再び鈍器のような拳が振り上げられる。
それでも瑞生は寸前でかわし、熊の脇へ滑り込んだ。
そのまま肘先を、後頭部へ槍のように突き込む。
「……ア?」
熊は、予期せぬ反撃に呆然と声を漏らした。
痛みよりも、あまりに早い瑞生の動きに、なぜ自分が攻撃を受けたのか理解できていないようだった。
「なん……しよった?」


