余所者-よそもの-【 2 】



「それで、これはどう対処するのが正解?」

「正解なんかねーよ。テストでもあるまいし」

「正解がない?」


「大雑把に言うと二択かな。俺らが出て行ってイタ校の連中にシバかれる。それか……シカトぶっこいて、あのもっさりメガネがイタ校にシバかれる」


「どちらの選択も無意味だ。得るものがない」

「そうだな。お前はどっちがいい?俺はお前が選んだほうに付き合うよ」


俺は頭の後ろで手を組んだ。

判断に、多少の時間がかかると思った。


ところが俺の予想に反して、瑞生は迷いのない足取りで正面玄関へと歩きだした。


「行くんだな?」

覚悟を問うように尋ねたが、瑞生は足を止めずに答えた。


「アイツが一人で殴られたところでどうにもならなそうだけど、潤ちゃんがいるなら、なんとかなるかもしれない」

「買い被りすぎな……」


「それに」

言葉の途切れた瑞生の顔を覗き込めば、とても難しそうな顔をしている。


「考えても考えても、やっぱりアイツが殴られるのは嫌だ。どうしてだろう」


「そりゃお前……」

お前にとって、あのもっさりメガネが”友達”だからだろうがよ。


そう呟いた声は、俺と瑞生が揃って踏みしめた砂利の音と。

煩いバイクのエンジン音にかき消されて、誰の耳にも届かなかった。