「なんだよ……」
「じゃあ、なぜ君は助けに入った?あまりに非合理だ」
終わらない喧嘩に手を出した。
けど『非合理』と言ってしまえば、そもそも人の喧嘩に割り込むこと自体がそうだ。
「それはお前だって同じだろ」
「そう。だからさっきからずっと考えてる。でも、わからない」
「は?」
「なんで、この身体が勝手に動いたのか」
何言ってんだ、コイツ。
「……そりゃ、人間なんだから、そういうこともあるだろ」
不可解な疑問。
俺は差し障りのない回答をして、地面に置いてあった自分のスクールバッグを片手で拾い上げた。
「それから。俺は『君』じゃなくて『潤』だから。次会ったらちゃんと名前で呼べ」
「………」
返事をしない瑞生。
代わりにもっさりメガネが大きな声で「またね!潤くん!」と手を振った。


