余所者-よそもの-【 2 】



「……は?」

意味がわからなかった。


え。
なに、お前。

喧嘩もできちゃうの?

お前みたいな綺麗なヤツに、無骨な喧嘩なんて似合わなすぎるだろ。


でも、瑞生の喧嘩は無骨とは程遠かった。

一撃で相手を沈める素早い動きは、まるで何かのマジックみたいに鮮やかだった。


残る二人の内、一人をあっという間に戦闘不能にしやがった。


それを目の当たりにした俺はもう……。

大慌てで最後の一人を不格好に殴って、不格好に蹴り飛ばした。


「……なン……だ、お前ら……」


四人の不良を、瑞生と俺で二人ずつ。
仲良く撃退。


このときの俺は、妙な気分だった。

嬉しさ半分、悔しさ半分。


──後になって、このとき助けに入った理由をユキに聞かれたとき。

俺は『お前が殴られると、学校の女子が泣くと思ったから』と答えた。


でも、本当は違う。


瑞生に何も勝てないと思っていた自分。

もっさりメガネは、瑞生をガリ勉根性で負かせてみせたっていうのに。


俺にだって、何かコイツに勝てるところはねぇかって。

ずっと、接点を探していたんだと思う。



なんとも肩透かしで、格好のつかない話だが。

これが、俺とユキの出会いだった。