「……は?」
意味がわからなかった。
え。
なに、お前。
喧嘩もできちゃうの?
お前みたいな綺麗なヤツに、無骨な喧嘩なんて似合わなすぎるだろ。
でも、瑞生の喧嘩は無骨とは程遠かった。
一撃で相手を沈める素早い動きは、まるで何かのマジックみたいに鮮やかだった。
残る二人の内、一人をあっという間に戦闘不能にしやがった。
それを目の当たりにした俺はもう……。
大慌てで最後の一人を不格好に殴って、不格好に蹴り飛ばした。
「……なン……だ、お前ら……」
四人の不良を、瑞生と俺で二人ずつ。
仲良く撃退。
このときの俺は、妙な気分だった。
嬉しさ半分、悔しさ半分。
──後になって、このとき助けに入った理由をユキに聞かれたとき。
俺は『お前が殴られると、学校の女子が泣くと思ったから』と答えた。
でも、本当は違う。
瑞生に何も勝てないと思っていた自分。
もっさりメガネは、瑞生をガリ勉根性で負かせてみせたっていうのに。
俺にだって、何かコイツに勝てるところはねぇかって。
ずっと、接点を探していたんだと思う。
なんとも肩透かしで、格好のつかない話だが。
これが、俺とユキの出会いだった。


