「──……え?」
足先の方向を変えた、その瞬間。
目の前を、何かが風のように駆け抜けた。
振り返れば、
「み、み……瑞生くん?」
なんと、瑞生がもっさりメガネを庇うようにして立っている。
「んだぁ?てめぇ。その制服は”カモ”だな。いいぜ、お望み通り一緒にボコってやんよ」
不良たちは瑞生に向かって凄んだ。
瑞生に喧嘩なんかできるわけがない。
マジで、もっさりメガネ諸共やられる。
そう思った俺は。
なぜか、このとき。
……勝手に身体が動いた。
「なんだ?てめっ……グぁ……ッ!!」
瑞生に向かって拳を振り上げた男を、右ストレートで殴り伏せた。
すると、間髪入れず俺の背後から別の男が迫ってくる。
「──がァハ……!!」
振り返ったときには、瑞生がそいつをアッパーカットで沈めていた。


