余所者-よそもの-【 2 】



「な、なななにかっ小賢しい手を使っているんだろう!?」


瑞生は足を止め、このもっさりメガネを見上げた。

相手は敵意むき出し。
それでも瑞生は表情を変えない。


「あっああらかじめ問題を知っているとかっ!それとも、もしやカンニングじゃないだろうな!?」

「………」


「くっ!このぉぉ……そこで、待っていろ!」


啖呵を切り、走りだしたもっさりメガネ。

テクテクと走るたびにずり落ちるメガネを、クイクイと直す。
右へ左へ揺れる、なんともダサイ走り方。

そんでもって、死ぬほど足が遅い。


「………」

瑞生はといえば、降り注ぐ日差しに目を細めていた。

もっさりメガネをじっと待っているようにも見える。


……そんな、まさかな。

──『瑞生くんに話かけたけど、無視された』
──『瑞生くんは誰とも話さない』

相手にするわけがないわな。

玄関ホールに集まった生徒はもちろん、周囲にいたヤツまで二人に注目していた。


授業にも出ず、校内のどこにいるかもわからない。

まるで幽霊のような生徒。


それが今、おかしなヤツに突っかかられている。


どんな反応をするだろうか。
誰もが固唾を飲んでいた。