──とある日。
「あーマズイ」
「今回平均点高いな」
「追試だ……」
「上位層の顔ぶれは変わらないね」
学校の正面玄関ホール。
校内で一番大きい木製の掲示板には、全員の名前が載ったテスト順位表が張り出されていた。
晒し首みたいなモンだ。
誇らしげに胸を張るヤツもいれば、屈辱に打ちひしがれるヤツもいる。
俺にとってはこんな茶番、どうでもいい。
ろくに勉強をしなかった俺の点数と順位は、散々なモンだった。
それでも追試は免れた。
十分すぎる合格ライン。
これで来月まで女の子と遊び惚けられる。
ふと、自分の名前から視線を上へと滑らせた。
首が痛くなりそうなほど、ずっと上。
『瑞生 幸渡(ミズオ ユキト)』
最上段には、やっぱりアイツの名前があった。
どうやったらそんな芸当ができるのか、500点満点を叩き出していた。
マジで一問の凡ミスもないとか、人間じゃない。
ただの精密機械かロボットじゃねーか。


