余所者-よそもの-【 2 】



女の子の心理を読み取ること。

その上で、女の子を喜ばせること。


これは俺にとって、数学のどんな方程式を解くよりも複雑で、楽しい。

だって奥が深い。


女の子の言葉と心にとことん寄り添って、甘やかす。

たまに少しだけ、期待を裏切ってやる。

「卵焼き、ちょっとしょっぱい気がする」

「あ、ごめん。失敗しちゃったかな……。次は美味しく作るね!」


イロコイには塩味も大事。

これが『次』に繋がる。


「来週三者面談だぁ。まだ受ける学部悩んでるんだよね」

「あー。確かにそんなのあったな」


「潤くんはもう志望校決まってる?」

「いや?俺そもそも進学しない」

「嘘だー」


「ホントだって。卒業したらホストになるんだ」


俺が真顔で言えば、「絶対嘘!」と返して、カラカラ笑う。

この進学校で進学しないヤツなんてほとんどいないから、冗談だと思われてるんだろうな。

それがまさかの本気なんだけどね。

親に話せば、きっと泣く。
それでもやりたいんだから、仕方がない。