「ユキってさ。昔……つっても高校時代だけど、誰とも喋らねーヤツだったんだぜ」
「はあ……」
突然、何の話だろう。
「今となっちゃ、ビジネスのために他人と関わるようになったけど、アイツの基本は”人と関わらないこと”」
それは、なんとなく知ってる。
「理由は、自分でコントロールできる範囲の物事以外は信用できないから。昔っからそう」
「……じゃあ、学生時代のユキさんはずっと独りぼっちだったんですか?」
「いや?」
潤はグッと立てた親指の先で自分を指した。
……あ、そうか。
ユキの高校時代を語る潤は、今でもユキと仲がいい。
ということは、ユキが独りぼっちだったのは潤と出会うまでの話ということ。
「潤さんがユキさんの初めての友達だったんですね」
「それも違う。俺は2番目」
「じゃあ、サンコンさん?」
「サンコンは3番目」
「じゃあ、ユキさんの最初の友達って……」
潤はどこか寂しそうに、薄く笑った。
「少し、子守唄代わりに昔話をしようか」
「昔話?」
「俺とユキと、サンコンが出会った頃の話を──…」


