余所者-よそもの-【 2 】



「おっつっかれちゃーん!」


眠りに入りかけたころだった。

元気な声がフロアから漏れ聞こえてきた。


潤が遊びに来たらしい。

ガッ、とカウンターチェアの足を引く音がした。


「あれ?カナコちゃんは買い出し?」

「や……休みだ」

バンはどもりながら言った。


「そーなんだ。週末なのに珍しいな?」

「体調悪いんだって」

「そなの?じゃあ、2階で寝てんのか」


再び、ガッとチェアの足が鳴く。


「じゅ、潤!カナコは部屋にはいないぞ!」

「は?体調悪いのにどこに行くっつーんだよ」

「とにかく部屋にはいねぇ!」

「なんだよ、キモイな。放せよ」


「入るなって!そこに!!」

「あ?もういい、退けって」


徐々に近づく、足音。

──ガチャ、とドアが開いた。


みっともない姿。

けれど、隠れる元気も、動く気力もなかった。


ロッカーの前に座り込んだままの私。

大きな黒目を限界まで見開いた潤。


ぽたん、とまた鼻から血が垂れた。



「……は?」