余所者-よそもの-【 2 】



「それが謝るヤツの態度か!!」


バンが私の胸倉を力任せに掴み上げた。

上手く力の入らない私の身体はあっさりと押し込まれ、背中からロッカーへと叩きつけられた。

その勢いで、スチール製の薄いロッカーがガタガタと大きく揺れた。

たちまち、
──ガシャァァァン!!

更衣室に、凄まじい音が響き渡る。


ロッカーの上に積まれていた段ボールが落ちた。

中に入っていたのは、予備のタンブラーグラス。


落下の衝撃で蓋が開き、割れたグラスの破片が私たちの足元にまで散らばった。


「………」

踏むと危ない、怪我をする。

私は胸倉を掴まれたまま、バンの肩を強く押し退けた。


「あ?」

けれど、バンはビクともしない。

顔をみると、その目尻はキリキリと吊り上がっている。

……反撃と捉えられてしまったのかもしれない。


「てめぇ……マジで今日は勘弁ならねぇ」

胸倉を掴む手はさらにきつく絞り上げられ、私の身体は激しく前後に揺さぶられた。