しんと静まり返ったAnBar。
すっかりみんな帰宅して、誰もいなかった。
私は二階へと上がらず、一階の更衣室で就寝の用意をする。
だって、部屋のベッドはいくら片付けても片付けても、翌日にはゴミが復活するから。
いっそ片付けるのをやめたのって、いつからだっけ。
もう、覚えてもない。
私は薄手のブランケットをロッカーと壁の隙間に敷いて、今日も眠った。
────……
──…
微かな物音に、薄目を開ける。
誰かがロッカーを開けている。
……サンコンかな。
そろそろ出勤時間?
でも、アラームはまだ鳴っていないし。
……夢か。
もう少し、眠っていたい。
私は再び、深く目を閉じた。
「──……ろ。……ろよ。てめぇ!なんでこんなとこで寝腐ってやがるっ!!」
突然、頭上から降ってきたバンの怒鳴り声。
ビクリと目を覚ました。
重い瞼を持ち上げる。
見下ろしているバンの顔が、霞んでよく見えない。
ガミガミと罵声を上げるバンの声を聞きながら、スマホで時間を確認する。
うそ。
出勤まで残り五分しかない。
遅刻してしまう。


