余所者-よそもの-【 2 】



しんと静まり返ったAnBar。

すっかりみんな帰宅して、誰もいなかった。


私は二階へと上がらず、一階の更衣室で就寝の用意をする。


だって、部屋のベッドはいくら片付けても片付けても、翌日にはゴミが復活するから。

いっそ片付けるのをやめたのって、いつからだっけ。
もう、覚えてもない。


私は薄手のブランケットをロッカーと壁の隙間に敷いて、今日も眠った。


────……
──…

微かな物音に、薄目を開ける。

誰かがロッカーを開けている。

……サンコンかな。
そろそろ出勤時間?

でも、アラームはまだ鳴っていないし。

……夢か。
もう少し、眠っていたい。


私は再び、深く目を閉じた。


「──……ろ。……ろよ。てめぇ!なんでこんなとこで寝腐ってやがるっ!!」


突然、頭上から降ってきたバンの怒鳴り声。

ビクリと目を覚ました。


重い瞼を持ち上げる。
見下ろしているバンの顔が、霞んでよく見えない。


ガミガミと罵声を上げるバンの声を聞きながら、スマホで時間を確認する。

うそ。
出勤まで残り五分しかない。

遅刻してしまう。