余所者-よそもの-【 2 】



「八賀さんの言う『この街』っていうのは、シトウのことですか?それとも、露天街のこと?」


ねぇ、八賀さん。

私は、どちらに馴染んでると思う?


──『できるだけ、早ぉ出た方がええな』

八賀は出会った日、街から出ることを勧めた。


──『瑞生のとこ、出ろ。仕事も全部辞めて、シトウに来い』

シドは、私をシトウに呼んでる。


──『ここから出て行ってください』

ユキは、私に出て行ってほしいらしい。



私は、どこに行けばいい?



「ここは、終わりの街。終わりには、何もない」



しわがれているのに不思議とよく響く、八賀の声。

だけど、その言葉の意味がわからない。


八賀は、真っ直ぐ前を見据えたまま歩いている。

私はその横顔をじっと見つめた。


「終わりが在るから、始まりが在る」


「……あの、よく意味が」


「シトウも露天街も変わらん」

「………」


「堕ちるだけ堕ちることができればナンボかええ。そこでしか見えん景色があるでな」


『堕ちる』

その言葉に、目を見開いた。


もしかしたら。

八賀には、お見通しなのかもしれない。


私が今、行き場を失っていることも。
何の答えも出せずに、悩んでいることも。