余所者-よそもの-【 2 】



「止めなくていいんですか?喧嘩」

「いちいち首突っ込んどったらキリないやろ」


「けど、露天街があんな風に街で喧嘩してるのなんて、珍しいですよね?」

「んなことない。小競り合いなら、ようある」

「そうなんですか?」

「露天街は目立たんだけじゃ。最近は特にZ地区の小僧共が煩かったしな」


露天街は目立たない、か。

こんな風にギャラリーができる喧嘩が、珍しいだけなのかな。


「街の人間は刺激が欲しいて集まっとるんやろ。シトウの紫藤も静かぁなったし」


言われてみれば、最近はシドが街で喧嘩をしたという話を聞かなくなった。

街も、少しは穏やかになったのかな。


「……八賀さん、ずっと聞きたかったんですけど」

「なんじゃ」


「初めて会ったとき、八賀さん私に『早くこの街を出て行った方がいい』って言ったの、覚えてますか?」

八賀は「ああ」と返事をした。


「おまんがこの街に馴染まんと思うたからな」

「それはどうして?」

「さぁ。なんでやったかなぁ」


八賀はちらりと私を見た。

深く垂れた瞼の奥から、鋭い眼差しが覗く。