ただ、呆然と立ち尽くしていた。
アップテンポのレゲエのイントロが始まる。
ユキが、サンコンを呼びつけた。
サンコンは速やかに駆けつけ、何やら耳元で指示を受けた。
その足で、真っ直ぐ私の隣に立った。
「なんですか……?」
きっと、ユキからの伝言。
見上げたサンコンは平然とした顔つきで、それを私に伝えてきた。
「ここから出て行ってください」
……え?
耳を疑った。
嘘だと言ってほしくて、縋りつくようにサンコンの顔を見上げた。
けれど、サンコンの表情は変わらなかった。
まるで『早くしろ』とでもいうような視線で、私を急かしてくる。
「………」
なんで?
どうして?
震える唇をぎゅっと噛みしめた。
「……わかり、ました」
私はAnBarを飛び出した。
「──……っ」
出て行け。
出て行けって、いつまで?
今日一日?
それとも、ずっと?
私はどこに向かえばいいのか、わからないまま。
ひたすらに、走った。


