晴れときどき……

「たぶんここが……」

二階の部屋の扉を、咲都さんが開ける。

「わあ……」

わたしは声を上げた。

だけどそれは歓声じゃなかった。

「やっぱり……こんなことじゃないかと思っていたんだ。ごめんね」

「そんな……咲都さんがあやまることじゃないし」

「でも、とにかくごめん」

「はい」

部屋のなかは、一面ピンクと白のフリフリで埋め尽くされていた。

あまりのお姫様の部屋っぷりに、頭がくらくらしそうだ。

「母さん、ずっと娘が欲しかったらしくてさ。たぶん君が来たこと、ものすごく喜んでるんだ」

「そうなんですか……」

「だから、ありあちゃんに、むちゃなことを言い出すかも知れないけど、ほどほどにつきあってあげて」

「ほどほどにですか?」

「うん。全部は厳しいと思うからさ」

「わかりました」

「ありがとう」

咲都さんがにっこりと笑った。