晴れときどき……

「未散くん!」

「ありあちゃん。気にしないで」

未散くんを追いかけようとしたわたしを、咲都さんがとめた。

「でも……」

「未散はああなると人の話を聞かないから。それより部屋にいこうか」

「部屋?」

「君の部屋。母さんがこそこそと荷物を運び込んでたから、きっとあの部屋だ」

「私の部屋があるんですか!」

物心ついてから、ずっと狭いアパート暮らしだったから……

わたしは自分の部屋なんて持ったことがなかった。

「ああ。この家、部屋だけはたくさんあるからね」

「すごい!嬉しいです!!」

「そんなに喜んでもらえるとは思わなかったな。じゃ。早速見に行こうか」

「はい!」

わたしはウキウキしながら、咲都さんについて行った。