「うわぁ」

タクシーから降りた私は、新しい家を見てぽかんと口を開けた。

おっきい家……

一体なん部屋あるんだろ?

白い壁に出窓。

きれいに手入れされて花が咲いた庭。

まるでおとぎ話のお城みたい!

は……ちょっと言い過ぎ。

でも、すごい……。

ピンポーン。

「はーい」

お父さんがチャイムを押すと、玄関から新しいお母さん……桜さんが飛び出してきた。

「いらっしゃい。待ってたわ」

「こ、これからお世話になります」

わたしは、緊張しながら言った。

「ふふ。こちらこそよろしくね」

桜さんがにこにこしながら言う。

美人じゃないけど、ほんとに優しそうな人。

前のお母さんとは正反対って感じ。

「さあさあ。紹介しなきゃいけないから、早く入って!」

「え? 紹介?」

紹介って、誰に?

「びっくりするぞ」

お父さんもにやにやしてる。

う……一体なんなんだろう?