とにかく顔を洗って、髪を結んで!

制服に着替えたらリビングにダッシュ!

みんながゆっくりと朝食を食べてる。

「ありあ騒がしいぞ。どうした?」

お父さんがパンをかじりながら言う。

「ありあちゃん?」

桜さんが不思議そうな顔をしている。

「ごめんなさい桜さん!学校に遅れそうなので朝食はいりません!」

「学校遠いの?タクシー呼ぶかい?」

咲都さんが携帯を取り出す。

「そんなもったいないからいいです!」

「つか、お前その制服、大山学院かよ!」

未散くんが声を上げる。

「お前あんなあたまいい学校行ってるのか!?」

「あ、いや家から近くて電車代要らないから……」

「そんな理由であの名門に入ったのか!?」

「うん。まあ、大きな理由はそれかな?」

「しんじらんねぇ。こんなやつが大山学院だなんて……」

まあ、確かに受験勉強は大変だったけど、暗記とかは得意な方だから、なんとかなった。

「大山か、それならタクシーじゃないと間に合わないよ。すぐ来てくれるといいんだけど」

「いや、タクシーはそのね」

お父さんが咲都さんを止める。

「そうよ!」

桜さんが怒った声で言う。

うんうん。

タクシーなんて贅沢だもんね。