銀白虎







「あぁ。心配どーも!」



明らかに不機嫌になる神崎くん。




「いえ。俺は何もしてないよ」


それに気付いてるはずなのに、にっこり笑う蓮見くん。




チッ




神崎くんが舌打ちをする。





「じゃーな、結城」



神崎くんはいらついたように教室のドアへ向かって歩いてく。



「う、うんっ」


あたしはそれを目で追い掛ながら、返事をした。





神崎くん、
もう帰っちゃうんだ…





そう思っていたら、神崎くんがピタリと足を止め、立ち止まった。



そして、こっちへ振り返り、あたしと蓮見くんを交互に見つめる。






…どうしたんだろう?