「…そっちで平気なの、まだ学校だよ」


ムカつくからちょっと嫌味ったらしく言ってやった。

あたしのささやかな仕返し。



「…俺から言ったのに待たせちゃってごめんね、結城さん。……がいいのかよ?この階にはもう誰もいねぇーよ」



…それはそれで嫌かもしれない。


ガタン!と乱暴に向かい合わせにした机の椅子に座る。




話し合い…なんて言ってたけど、絶対違う気がする。

ここはなんか言われる前に先手を打たねば…。



実は蓮見くんが来る間考えていたんだ。


そして思ったんだ。
これを言えば、あたしは解放されるのではないかと。




「蓮見くん…あのさ……」



しどろもどろに喋り出すあたしに、蓮見くんが視線を向けてくる。


あたしは大きく息を吸う。


「もう金輪際、一切!一歩も!ミジンコたりとも、蓮見くんには近付かないし関わらない!絶対必ず神に誓うから!だからあた……」



「あぁ。それ、方針を変えたんだ」



「へ?」