「ーーーー昨日、社会科教室にいなかった?」



どうしてそれをーーーー。


彼ーーー神崎くんを見つめた。



あの時、私たち以外、
周りには誰もいなかったはずなのに。




動揺してはいけない。極めて冷静に。悟られないように。


「いなかったよ」

と、嘘をついた。

心の中で少しの罪悪感に駆られながら。