そわそわと慌てているわたしをながめながら、
「本当にいい子ねぇ、飛鳥ちゃんは」
クスクスと、笑う玲子さん。
「でも大丈夫よ?聞いたところによると、この髪も冬弥が原因なんでしょう?なんとなく想像つくわ。だから飛鳥ちゃんから貰うなんて論外よ。気持ちだけ頂いておくわ」
でも、蓮見くんが悪いわけじゃなくて……そもそも私の注意不足というか、私から煽ってしまったのもあるわけで…。
困惑の色を浮かべていれば、
「あの子の顔を立ててあげて?じゃないといつまでも気にしちゃうから、あいつ」
ねっ?、なんて優しく諭されてしまっては、頷くしかない。
後で蓮見くんに直接お礼を言わないと…。
「ふふっ、でもほんとうに。
あいつのそばに、飛鳥ちゃんがいてくれてよかった」
そう、目を細めて嬉しそうにする玲子さんは、まるでヤンチャな弟を心配するお姉さんのようで(実際には、お兄さんなのかもしれないけれど)。……深い、愛情を感じた。

