「じゃあ、左の髪の長さに揃える感じで整えちゃうねー」
それを合図に、カットが始まった。
先程の実は男性でした問題はとりあえず解決し、さっきまで横にいた蓮見くんも、とにかく整えてくれ。と伝えると、さっさと何処かへ消えてしまった。
ずっと横で待っていられても、緊張してしまうのでよかったかもしれない。
それから玲子さん(そう呼んでと強く念押しされたので)は、いろんな話をしてくれた。
「とうやって、可愛げないでしょう？ガキのくせして、妙に大人びちゃって」
こんなこと言えるのって、玲子さんだけなんじゃないだろうか？
白虎のひとたちも、学校のひとたちも、蓮見くんに対してそんな評価をする人は一人もいないだろう。
