普段、彼の口から、組のことはあまり聞かない。話したがらない、という方が、正しいのかもしれない。
だから、なんとなく、話してくれたことが嬉しかった。
…でもそっか。だからこんなに蓮見くんが、肩の力を抜いてる感じなのかな?なんていうんだろうな、まるで兄弟みたいな………、
「あれ?でも、玲子さんって女性の方なのに、大丈夫なんですか?」
組の人って、男の人しかいないイメージだったんだけどな……。
「ーーぶっ!」
すると急に、吹き出す音がして。
「あっはははは!もう飛鳥ちゃん、サイコー!!」
と、目に涙を溜めながら爆笑している玲子さん。
………?何かそんなに面白いことを言っただろうか?
「……おい、」
「はいっ!」
急に呼ばれて、びっくりしながら返事をすると、「お前じゃない、そっちだ」と、玲子さんに目線をやる。
「いい加減にしろよ、"キヨシ"」
「えーー、もうバラしちゃうのぉ?勿体無いわねぇ」
「こいつで遊んでんじゃねーよ」
「だぁーって、かわいいんだもん♪
てか、さんづけしなさいよね!いっつもいってんでしょ」
「うるせぇ。男が語尾に♪とかつけんな」
「ーーーえ?」
そこで、思わず口を挟んでいた。
気づいたら、溢れ落ちていたのだ。

