外に出れば、今日は雨が降っていたことを思い出した。今も相変わらず降り続いている。




頰が、ヒリヒリする。もしかしたら、少し腫れているかもしれないな。



「若、お疲れ様でした」


この雨の中、車の外で傘をさしながら立っていた遠山さん。


「風邪を引かれたら大変なので、早く中に入ってください」

そういいながら、すでに肩が濡れてしまっている蓮見くんに、自分の持つ傘を傾けている。


「結城さんも。早く入ってください」

遠山さんは長い間待たせてしまったはずなのに、暖かい笑顔で迎えてくれる。

その笑顔にふっと、力が抜けて、「ありがとうございます」と、車の中に入った。