「王子はね、皆の物なのよ!誰かの物になんてならないの!!いいえ、なってはいけないのよっっ!!!」
ーーーーーーージョキンッ
そう言って彼女が握り締めていたのは、……はさみ。
「こうでもしないと、わかってもらえないみたいね?」
彼女の、壊れた顔を見て、やっと。
髪の毛を切られたことに気づいた。
……そういえば、最近、何かと刃物を向けられることが多い気がする。
「彼は…誰のものにもっ、ならない、んだかっ…ら……っ!」
ーーーー彼はなんて、孤独なんだろう。
あなたたちがそんなこというから、
彼はいつまでたっても孤独で居なきゃいけないじゃないか。
ぱらぱらと、落ちていく、綺麗とは言えない髪の毛。
ーーーーーずっと、思っていた。
なんとなく、伸ばし続けていた染めたせいで傷んだ髪。
それが落ちていった姿をぼんやり見つめながら。
…………彼が、孤独になりたがる気持ちが、少しわかった気がする。

