銀白虎





「それにあなたには、騎士気取りがいるみたいだけど……そのどっちつかずな態度も気に食わないのよ。そんな中途半端なあなたに王子といる資格はないわ!!」





ほんとうに、その通りだ。


彼に、好きだと伝えるつもりもないくせに…………それでも、まだ側にいたいと思ってしまうあたしは、ずるい………




ーーーーーけれど、


「あなたは、私達ファンクラブにとって邪魔なのよ」



それは、間違っているんじゃないだろうか?



ずっと、感じていた。

彼女が言葉に隠していた、こころ。




「あなたも矛盾してると思います。だってこれは、"ファンクラブ"ではなく、あなたの単独の行動ですよね?」





自分の物にならないのなら、いっそ、皆の物。

そうしてしまえば、誰かのものになることはない。








ソレハ、ナンテ、ラクダロウーーーーー



苦しむことはない。

たとえ、自分のものにならなくても。

苦しくなることはない。










………守っていたのは、"ルール"なんかじゃなく、自分の心なんじゃないだろうか。