「ただいまー」
なんて、軽やかな声。
ふっと、力が抜けた気がした。
帰ってきた要くんと入れ替わるように竜くんが、席をたつ。
空のグラスを片手に。
「あ、俺のもー」
「自分で行け」
なんてあっさり、ドリンクバーに行ってしまった。
「ケチ臭いなー」なんて、やっぱり笑ってる要くん。
「ほんと仲良いね」
「そう見えます?」
「うん、見える」
「まあ、確かに………あいつの頭の中はいつも“ワカ”だから」
…………竜くんの中心がいつも蓮見くんだから?
それって、関係あるの?
思いっきり、表情に出ていたらしい。
あたしの気持ちを読み取ったように。
「あいつのそーゆーとこ、嫌いじゃないんです。結構」
言葉を続けた。

