「そっかぁ…。でもその子、悪い子じゃないよ?神崎くんのこと、本当に好きだと思うし」
「それを飛鳥さんに言われちゃうと、多少にーさんを不憫に思いますけど…」
仕方ないですよね、と笑ってくれた。
それにあたしは苦笑いで返した。
無神経、だったかも。
「あ、俺ちょっとトイレ」
そういって、立ち上がって行ってしまった要くん。
要くんには、バレてるんだろうなぁ。
神崎くんを、受け入れられないこと。
仕方ない、か。
要くんがトイレに経った為、竜くんと二人になってしまったあたしたちには、当然会話はなくて………
「…なに。要の兄貴も、こんなブスが好きなわけ?」
………となるはずだと、思っていたあたしの考えはあっさり覆された。
それも、さっきまで黙っていた竜くんによって。

