台所にいくと、遠山さんが待っていた。そういえば、遠山さんが呼んでるってクラさんが言ってたな…。

それだと、けっこう待たせてしまったかもしれない。




「…遠山さん、待たせてしまってすいません!」

「ああ、大丈夫ですよ。俺が勝手に手伝おうと待ってただけなので。それより、あのあと竜、大丈夫でした?」


「あ、はいっ」


「無理しなくていいよ。あいつの頭は若を中心に廻ってるから。結城さんに、嫉妬してるんだと思います」


確かに、忠犬ハチ公のようだったけど…。




(なんと、なく…)



「さ、早いとこ作りましょうか」


その声に、はい。と返事をして、気になったけど、聞くのはやめた。







「結城さん、料理上手ですね!きっといい奥さんになれますよ」


そうやって笑顔で言われると物凄く照れる。なんせ相手は素敵運転手遠山さんだし!



「…よく、作っていたので」


――――両親が居なくなってから、気を紛らわす為に。



「そうですか。組の奴等も、今日は結城さんが夕飯を作るって楽しみにしてましたから、喜びますね」


にこにこ笑ってくれる遠山さんに、嬉しくなる。




だけど…思ったより大変だ。予想以上に量が半端じゃないんだもん。遠山さんに手伝ってもらって、ほんと良かったな。




「こちらこそ、手伝ってもらってありがとうございました。すっごく助かりました!」


「いえ、たいした手伝いはしてないので」




にっこり、爽やかな大人の笑顔。


す、素敵すぎます!!