ぽつり。
呟いた彼の声は―――淡々としていて。それがなんだか、切なくて。
……胸が、ぎゅうと、苦しくなった。
だけど蓮見くんは、蓮見くんのの瞳は。遥か遠く、違う場所を見つめているような気がした。
「……………」
なにも。言葉が、出なくて。
―――俺は、俺で居たかったから。
もう一度、ゆっくり、心の中で復唱してみる。
いったい、何を見つめているんだろう。
何を、想っているんだろうか。
あたしと蓮見くんの関係では、知らないことが多すぎて……想像することもできない。
でも、もし。
本当に何かと―――誰かと、区別をつけたくて、銀髪にしたのなら………。

