黄色い声の出所から、姿を現わす銀色の王子様…。
「…毎朝毎朝、迷惑だっつーの…」
神崎くんの声が、横から聞こえてくる。
確かに、毎朝毎朝よくやるなぁと思ってた。
でも、仕方ないとも思ってた。
だって――王子様だから。
でも………、
やっぱり彼の顔は、いつもと変わらない遠慮がちな笑顔だった。
いつもの蓮見くんだ…。
学校の、王子様の、蓮見くんだ…。
ふと、昨日の姿が嘘だったんじゃないかと思えてしまう。
でも、確かに見た……。
王子様は、王子様じゃなかった。
今、見てる彼ではなかった。
一体どっちが本物なの?
ふと、神崎くんに目を向けた。
『そんなにあいつってカッコイイかよ?つーか、あんな奴ぜってぇー裏があるんだぜ』
ふて腐れた神崎くんが言っていた言葉…。
もしかしたら…
「当たってるかも…」
「ん?何が?」